故宮 |
明・清の二王朝500年にわたり24人の皇帝の皇宮でかつては紫禁城と呼ばれていました。
明の永楽4年(1406年)に建築が始まり、14年かけて完成されました。
現存する木造建築物としては世界最大規模で、敷地面積72万㎡を誇る。宮殿内には9000余りの部屋があり、屋根は黄瑠璃瓦で葺かれ、土台は大理石でできています。
南にある午門(故宮正門)から北に向かって一直線に左右対称に建物が並んでいます。
1949年以来故宮博物院として一般に公開されています。
太和殿
太和殿は建築面積は2377㎡で故宮の中で一番大きな宮殿。高さ5mの大理石の土台の上に建てられています。
建物の前後には御路と呼ばれる大理石の皇帝専用の階段があり、中央に竜や雲などの彫刻が見られます。
皇帝の即位や婚礼、詔書の発布など国家の重要な式典や春節、冬至、万寿(皇帝の誕生日)などの行事が行われました。
中央には宝座と呼ばれる皇帝専用の椅子があり、宝座の両側には6本の金柱が並んでおり金箔で昇竜が描かれています。
屋根の四方には走獣と呼ばれる飾りがあります。伝説上の動物を仙人が率いています。どの建物にもあるが、太和殿のものが一番多く10匹あります。旁吻は魚が口を開けた形で、火よけの意味があります。屋根の一番上の両端の大きな飾りは正吻と呼ばれ、これも魚が口を開けた形で火よけの意味があります。
中和殿
中和殿は太和殿の後ろ側に位置し、正方形で建築面積は58㎡、内部には3室あり、周囲を廊下で囲まれています。太和殿で儀式を行う前の準備をする場所で、大臣や幹部役人などと打ち合わせを行いました。
保和殿
保和殿は中和殿の後ろ側に位置し、明の永楽18年(1420)に建設され乾隆帝の代で修復されています。建築当時は僅身殿と呼ばれていましたが清代順治帝の時に保和殿と改名されました。
清代には、皇帝は大晦日と元旦にここで貴族や大臣と宴会を催しました。また、科挙の殿試が行われた場所でもあります。
乾清宮
乾清宮は皇帝の居住空間で、日常の政務も行っていました。外国の使節との接見や親族との宴会などもここで行われていました。
清代以降は皇帝の死後、墓陵に入るまで棺を安置する場所でもありました。 |
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