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中国まるごと百科事典

タタール族[塔塔尔 tǎ tǎ ěr]

tataer人口:約4800人。チュルク系。
居住地域:主に新疆維吾爾自治区の伊寧、塔城、烏魯木斉に居住。
言語:アルタイ語系チュルク語派フンド語族に属するタタール語があるが、一部の年配者だけの間で使われており、一般的にはカザフ語またはウイグル語を使っている。アラビア文字を原形とする文字をもっている。
歴史:タタール族は歴史上“韃靼”、“達旦”、“達怛”と呼称されており、もともとは8世紀にモンゴル高原にあらわれたモンゴル系の一種族。

12世紀頃にモンゴル系遊牧民族の勢力争いに組み込まれ、やがてモンゴル民族の総称となり、モンゴル高原に入ったトルコ系移民も含むようになった。

13世紀に蒙古人が西へ征伐に赴いたとき、西洋人にタタールと呼ばれた。蒙古人の建国したキムチャク汗国が衰退した後、15世紀にボルガ川一帯で建国されたカザン汗国が16世紀にロシアに合併された時点で、タタールはすでに一つの民族となっていた。

19世紀初、ロシアから中国の新疆に移住し、第二次大戦の終了後さらに一部のタタール人が移住してきて、中国のタタール族となった。


ロシア支配のもとで早くから西洋文明を受容していたため、現在でも教育水準の高い民族と見なされており、教育関係の仕事に従事する人が多い。また、
商売に携わるものも多い。

“古拝底埃”と“伊特白里西”はタタール族独特の料理。“古拝底埃”は乾燥させた米にバター、干し杏、干しぶどうを加えて焼いたクッキーのようなもの。“伊特白里西”はかぼちゃに米、肉を加えて焼いた餅のようなもの。また、彼らの作るケーキは種類が多く、おいしいことで有名。
飲み物では、“克爾西瑪”、“克賽勒”が有名で、“克爾西瑪”は蜂蜜とビールを発酵させた酒で、“克賽勒”は野葡萄の一種で造られた酒。

タタール族の男性は刺繍を施した白いシャツに黒のたけの短いベスト、黒いズボン、黒い小さい帽子を着用する。女性はビーズなどの飾りを施した帽子、白や黄色、ワインカラーのサシェつきの長いスカートを着用し、イヤリング、ブレスレットなどのアクセサリーをつける。

タタール族の婚姻は、男性が女性の家で暮らすことから始まる。
結婚の数日前に新郎は新婦が作った衣装や家財道具、結婚式のご馳走、新婦の父母への贈り物“克以特”などを自分の花嫁道具として新婦の実家に贈る。結婚後新郎は3ヶ月から半年、あるいは最初の子供が生まれるまでを新婦の家で過ごすことになる。

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