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中国まるごと百科事典

イ族[彝 yí]

yi人口:約657万2173人。チベット系。
居住地域:主に雲南省、四川省、貴州省、広西壮族自治区に居住。
言語:漢・チベット語系のチベット・ミャンマー語族彝語分支に属する彝族語を使用。
6種類の方言があり、彝文字と呼ばれる表音文字を持っている。
歴史:彜族の源流は陜西、甘粛、青海の西北高原に住んでいた羌族と言われており、その分派が南下して現在の南西地域の原住民と融合して形成された。

隋・唐代には“烏蛮(ウーマン)”、元・明以降は“羅羅(ラーラー)”と呼ばれていた。
地域によって“諾蘇”、“納蘇”、“羅武”、“羅羅”、“米撒溌”、“撒尼”、“阿細”、“阿西”など多くの自称がある。

新中国成立まで一部の地域では奴隷社会が続き、外部との接触も殆んどなかった。


彜族では黒は人間世界の色、白は精神世界の色とされ、奴隷主だった黒彜族は衣類から日常の生活用品まですべて黒で揃える。

彜族はプライドが高く、人情、信義と義理を重んじ、客を大切にする礼儀正しい民族。来客があると、さっと駆けつけて出迎えの歌を歌いながら酒を勧め、囲炉裏端の上座に座らせる。

また、彜族の男性は女性をののしったり殴ったりしてはいけないという決まりがあり、“立派な男なら妻を殴らない”ということわざもあり、たとえ敵でも女性は殺さない、という掟がある。

嫁に行く娘の脚が地面につくと災いを招くという言い伝えがあり、背負われて嫁入りする“背負い婚”が行われている。かつぐのは新郎の弟で、結婚式の3日前に嫁入り道具一式と共に新郎の家に運ぶ。
結婚式では充分に飲んだり食べたりした後、新婦側と新郎側双方対等の人数で“婚礼相撲”が行われる。

最も盛んな祝日はたいまつ祭:火把节(huǒbǎ jié)で、旧暦6月24日から行われる、厄除けと豊作を祈願する祭り。闘牛あり、ファイヤーあり、レスリングありの2日間。祭りでは着飾った若い男女のフォークダンスもあり、一種のお見合いの場ともなっている。

彜族の漢方薬は非常に有名で、中でも“白薬(白药:báiyào)”は景東県の曲氏秘方によって作られた、止血作用のある薬で、海外でも販売され、よく売れている。

「イ族[彝 yí]」への1件のフィードバック

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