人口:約55万9041人。ミャオ・ヤオ系。
居住地域:主に貴州省务川仡佬族自治県と道真仡佬族苗族自治県に居住。少数は雲南省や広西チワン族自治区にも居住。大部分が海抜1000メートル以上の山地でミャオ族や漢民族などと混住する。
言語:漢・チベット語系に属すコーラオ(仡佬)族の言葉を使用している。稿、阿欧、哈給、多羅の四つの方言に分かれている。
歴史:コーラオ(仡佬)族の歴史は古く、商代、周代から西漢の頃には“百濮”、東漢から南北朝時代には“濮”、“僚”と呼ばれ、隋唐代以降各時代で“仡僚”、“葛僚”、“仡佬”と民族の名前が変遷している。新中国成立後、仡佬が正式名称となった。
コーラオ(仡佬)族は1年に2回正月を迎える。一つは春節で通常の旧正月だが、もう一つはコーラオ(仡佬)族独特のもので旧暦の3月3日に“喂樹”という行事が行われる。この行事は“祭樹”、“拝樹”とも言われ、 コーラオ(仡佬)族の古樹崇拝が元になっている。
この日、各家では酒や豚肉、鮮魚、餅などを山上の大木に供え、赤い紙をつけた爆竹を鳴らして新年を祝う。
コーラオ(仡佬)族の住居は高床式住居(干栏式建筑)で、貴州省北部には伝統的な様式の住居が残っている。
コーラオ(仡佬)族の娘は、婚礼の数日前から“泣き嫁”を行うしきたりがある。そして、婚礼前日の真夜中に駕籠が到着し、新婦を新郎の家へ連れてゆく。新婦や新婦の父母は別れを惜しむ態度をとるという決まりがある。新婦は新郎の家に到着後、まず先祖に挨拶をし、そのあと婚礼衣装に着替え大広間でお披露目、となる。
コーラオ(仡佬)族は、主に農業に従事し、トウモロコシの栽培を主とし、イネ、麦、イモなども栽培している。手工芸にも長けており、 コーラオ(仡佬)刺繍が有名。
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