今日は「冬至」です。中国では重要な節気で、『冬至節』とも呼ばれ、約2500年前の春秋時代には冬至の日が決められていたと言われています。
漢代には、宮中で「賀冬」と呼ばれる祝賀儀式が催され、今で言う冬休みを取ったと言われています。
『後漢書』には、「冬至前後の時期は、君子は身体を安静に保って政務は行わない」と書かれてあり、朝廷は冬休みに入り、軍事、出張なども停止、友人や親戚と楽しく過ごす時期だったようです。
唐代、宋代には先祖崇拝の日とされ、皇帝は「祭天」の行事を催し、これは明・清代になっても続きました。
中国ではこの日に紅白2色の団子=『汤圆(Tāngyuán )』を食べる風習があります。今も残る言い伝えには、『不吃金丸(红汤圆)、银丸(白汤圆),不长一岁。』(冬至に金団子(紅い団子)と銀団子(白い団子)を食べないと、年を越せない)というものがあります。
中国には、冬至から「九を数える」という習慣があり、9日間ごとに合わせて9つの区切りがあって、合計81日間で春が来るという意味があります。
このうち、「三九」は冬至から数えて3番目の9日間で、だいたい1月中旬から下旬にあたります。1年でも最も寒い時期です。
民間では「九九歌」というのが伝わっています。
黄河中・下流域に伝わる「九九歌」は、
一九二九不出手:一九、二九になると手が伸ばせないくらい寒くなり
三九四九河上走:三九、四九になると河も氷で覆われる
五九六九沿河望柳:五九、六九になると川沿いに立って柳を見て
七九開河,八九雁来:七九になると河の氷が解け、八九になると燕がやって来る
九九又一九,耕牛遍地走:九九が過ぎると、農耕牛があちこちで目に付くようになる
広い中国ですから、同じ三九、四九の頃でも、東北地域では犬が凍死すると唄いますが、長江下流域では、犬の糞を掃除する光景がそこらじゅうで見られると唄います。
中国では『気は冬至に始まる』と言われ、養生の大切な時期とされています。冬至を境に生命活動が盛から衰に、動から静に変化するからです。食養生からみると味の濃い脂っこいものを避け、あっさりとした味のものを食べると良いとされています。また温性のものを多く摂って脾・腎を保護します。