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中国まるごと百科事典

二十四節気:春

二十四節気は、太陰暦を使用していた時代に、季節を現すための工夫として考え出されたもので、1年を24等分にし、その区切りに名前をつけたものです。
現在でも季節の節目節目に、これを示す言葉として使われていますが、二十四節季の基準になった地域は黄河流域なので、広大な中国では必ずしもこの節目があてはまらない、ということもあります。

■立春(りっしゅん)
2/4頃
春の気たつを以て也
この日から立夏の前日までが春。
中国では秦代以降、立春から春の始まりと考えられてきました。
まだ寒さの厳しい時期ですが、日脚は徐々に伸び、華南地域ではこの頃から農作業を始めていました。

■雨水(うすい)
2/19頃
陽気地上に発し、雪氷とけて雨水となれば也
このころから、降る雪が雨に替わり始め、積もった雪も融け始めます。
春一番が吹くのも、この頃です。
黄河流域ではこの頃に最低気温がようやく0℃を上回りますが、南の大部分の地域では平均気温は10℃以上あり、桃の花がほころび始めます。

■啓蟄(けいちつ)
3/6頃
陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出れば也
啓蟄は冬眠をしていた虫が穴から出てくる頃という意味。
長江流域ではこの頃は春の嵐の季節で、平均気温も連日12℃以上になり、田植えが始まります。
一方黄河流域では、まだ気温の低い日があるので、田植えはできません。

■春分(しゅんぶん)
3/21頃
日天の中を行て昼夜等分の時也
昼夜の長さがほぼ同じ頃であり、この後は昼の時間が長くなって行きます。
各季節の始まりは、立春、立夏、立秋、立冬の四季で、春分、夏至、秋分、冬至は各季節の真ん中です。
中国南部ではこの頃、越冬した作物の成長が早まり、「春分麦起身,一刻値千金(春分の麦の成長は、一時で千金の値がある)」という諺があります。

■清明(せいめい)
4/5頃
万物発して清浄明潔なれば、此芽は何の草としれる也
天気晴朗で草木生い茂る時期です。
この頃は、踏青(若草を踏んで歩く春のピクニック)や寒食(清明節の前日で、この日から3日間は食事のための火を使わず冷たいものを食べた)、掃墓(お墓参り)をする習慣があります。
「清明時節雨紛紛(清明の頃は雨がよく降る)」というのは唐代の詩人:杜牧が江南の春を描写したものです。

■穀雨(こくう)
4/20頃
春雨降りて百穀を生化すれば也
穀雨は、「雨水がいろいろな穀物を生みだす」という意味があり、民間では「清明になると、雪が降らなくなり、穀雨になると、霜が降りることもなくなる」という諺があります。
中国のほとんどの地域では穀雨以後はの気温の上昇が速くなり、降雨量が多くなり始め(夜中に雨が降り、日中は晴れる)、五穀がすくすくと成長する時期です。
長江以南の地域では、茶摘みが始まる時期でもあります。

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